写真は児童Ⅰクラスのウォームアップと児童Ⅱクラスのバーレッスン。
発表会も終わって、月曜日からあたらしく各クラスのレッスンを構成しております。
タイトルの「全体性と関係性」、これはいったいなんでしょうか。
私は河合隼雄さんの本が好きでわりと読むのですが、これは心理臨床家の河合さんがカウンセリングの中でだいじにしていること、として挙げているものです。河合さんは日本のユング派の草分けで大層おもしろい文章を書かれるかたです。
カウンセリングにおいてと文脈は違うのですが、これをみてああバレエも同じだなと思いました。
バレエのレッスンの内容は、ウォーミングアップ、バーレッスン、センターレッスン、そして作品のリハーサルまで一貫性のあるものであるべきだとわたしは考えています。なので、各クラス、全部がつながるようにメニューを組みます。実際のおどりにいたるまで、布石を打ちまくるというか。
ひとことで言うと、木をみて森もみて♥っていうかんじです。
そしてバレエのすばらしいところって、難しいパでもすごく単純な基本を組み合わせてできているところです。
いいメニューが出来上がると、結構な満足感があります。そして音楽にもこだわります。みんなのバレエ愛をアジテートするような音楽を使うようにこころがけています。単調と長調もバランスよく。
このようにしていると、結局レッスンをセットエクササイズで行うようになります。セットとは、決められたレッスンを繰り返すということ。多くの教室では毎回違うメニューを行っていると思うのですが、ちだバレエスクールではみんなができるようになるまで、同じメニューを繰り返します。そしてそれを展開させていきます。
私の人生のあちこちにきらめく星のように現れる啓示、それは「シンプルで正しいことを繰り返せ」です。
大学受験の時の塾の先生、文法マニアのロシア語の先生、セットエクササイズのレッスンがあることを教えてくれたバレエの先生、毎回根気よく逆立ちと頭立ちを教えてくれたヨガの先生たちが、シンプルで正しいことの繰り返しが結果につながることを教えてくれました。
そんなわけで、スーフィーがズィクルをするように、正教徒がコンボスキニオンを繰るように、真言宗が般若心境を唱えるように、ヨギーがマントラを唱えるように、わたしたちバレエ教徒たちは日々同じ基礎を繰り返しているのであります。
ところで昔はやった「最高ですか~?」「最高でーす!」っていう宗教、あれ面白かったですね。
今もあるのかな。