5月になりました。今年も薫風ふいてます。
我が家ではミニバラが咲きそうな気配。
おとなりは、多肉を剪定したものを裏庭に植えていったらこんなコーナーが出来ました。
世の中はコロナでほんとうに大変なことになっていて、ちだバレエスクールもレッスンお休みになっています。
今はそれぞれ大変だけれど、きっとまたレッスンや発表会が出来ると信じて、今出来ることをおのおのがみんな大事に生活していくしかないのだろうなと思います。
芸術は、バレエは、幾多の革命や戦争や疫病や災害を乗り越えてきたんだ。きっと今度も大丈夫です。
おやすみ中のちだバレエスクールのみなさんにはシラバスを配りました。
それを何回かにわけてぼちぼちと解説してみようかなと思います。
さて解説の前にバレエの基本て一体なんだろう?というところから始めたいと思います。
だいたいバレエ教室って「基本を丁寧に教えます。」というのをうたい文句にしてますよね。うちもそうです。
「基本はほどほどに」とか「基本はその辺で」「さーらりとしたバーレッスンー」などというバレエ教室ってみたことがない。
でもじゃあバレエの基本て何なのですか?と改めて問われたときになんと答えるか。一言でいうのは難しいです。
バレエって言葉がない芸術だし、レッスン時間はだいたい90分が基本とされているので教える側としては色々なことを言語化してみんなに解説する暇がないのが普通だと思います。
バレエを全く知らない方にはなんのこっちゃいな?という感じかもしれませんが、わたしはバレエの基本は以下の4点に集約されると思います。
①正しい手足のポジション、そのポジション間の正確な通り道。
足には両足が床についた状態では5個の基本の構え(6番もある)、手には4つの基本の構え(ロシア式)があり、手は特にポジション間の通り道が正確でないと美しい動きになりません。手はメソッドによっては沢山の基本の構えの呼び名があります。
②脚のターンアウト
ターンは回す、アウトは外へ。フランス語だとアン・ドゥオールといいます。大腿骨から始まって足先までを外に回した状態で動きます、そうでないと脚や動きが美しくみえないです。大多数の人にとってポーズが出来てもこの状態で動き続けるってすごくむずかしい。小さい時から少しずつ訓練していきます。バレエははっきりいって内足との闘いだと思います。
③9つの基本ポーズ
図がないと解説が難しいけれど、アン・ファス・ドゥバン、アン・ファス・デリエール、ア・ラ・スゴンド、クロワゼ・ドゥバン、クロワゼ・デリエール、エファセ・ドゥバン、エファセ・デリエール、エカルテ・ドゥバン、エカルテ・デリエールという9ポーズが踊りの中での基本です。バレエではメソッドによって違うけれど、空間の8方向に番号がついています。身体をどの方向にむけて足をどの方向に出し、顔をどこに向けるか、ということによってポーズが決まります。
④パの正しい認識
パ、とはバレエにおけるひとつひとつの動きのことです。例えばグリッサードという動きがあります。それはどういう風になっているか。両足でプリエして片足を床からすり出して空中で両足を爪先を伸ばした2番の形にして(横に動く場合)片足で着地して後からくる足を素早くしまう。という風に基本は決まっています。そして恐ろしいことに?踊りの中ではいつもそうというわけではないのですが、とにかくそういう風に一つ一つの動きが定義されているので、それを段階的に習得していきます。ポーズも大事だけれど、ポーズとポーズの間の通り道がとても大事。
そしてこれらを音楽性とリズムと共に身につけていきます。
これらが出来て初めて、アーティストは基本や音の取り方を自らの表現として柔軟に崩していく(という表現が正しいかわかりませんが)のではないかと。
これが私の考えるバレエの基本です。長いなしかし。